ε-δ論法とは
なぜε-δ論法が必要なのか
Section titled “なぜε-δ論法が必要なのか”「 が に限りなく近づく」という言葉だけでは、どの程度近づけば十分なのかが曖昧です。また、 での値を調べることと、 の近くでの振る舞いを調べることは別です。
ε-δ論法は「限りなく近い」を使わず、どんな精度を要求されても、その精度を実現できる入力範囲を用意できるという形に言い換えます。
図がなくても、 を中心とする入力の細い区間を想像してください。その区間から 自身を除いた場所に を入れると、出力が必ず を中心とする指定幅の区間へ収まる、という意味です。
量化の順序を日本語で読む
Section titled “量化の順序を日本語で読む”定義は次の順番で読みます。
- 相手が、任意の正の数 を先に選ぶ
- その を見て、こちらが正の数 を選ぶ
- その後で、条件 を満たすどの を選ばれても、 が成立する
は に応じて変えて構いません。一方、 が選ばれる前に を決めるので、 を に依存させてはいけません。
f(x) = 2x の極限を証明する
Section titled “f(x) = 2x の極限を証明する”δを見つける計算と、証明を書く順序
Section titled “δを見つける計算と、証明を書く順序”下書きでは、目標 から逆向きに計算し、必要な を探します。完成した証明では、最初に「 を任意に取る。 と置く」と宣言し、その選択が働くことを順向きに確認します。
よくある誤解
Section titled “よくある誤解”Q一次関数の極限★★☆
ε-δ論法を使って を証明してください。
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を を使って表します。出力の誤差を 未満にするには、入力の誤差をいくつ未満にすればよいでしょうか。
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を任意に取ります。 なので、 と置きます。 を満たす任意の について したがって定義により です。
Q指定された誤差からδを決める★☆☆
について、 のとき となります。出力誤差を 未満にするための を一つ求めてください。
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を使います。
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と取れます。実際、 なら です。これより小さい正の でも構いません。
Q二次関数の極限を証明する★★★
定義に従って
を証明してください。
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です。まず として を一定値で抑えます。
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に対し と取ります。 なら なので 、したがって です。よって
したがって定義により極限は です。