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ベクトルとは

位置や速度のように、一つの数だけでは表せない情報があります。東向きに3、北向きに2進む移動は、二つの数 (3,2)(3,2) を一組にして初めて表せます。ベクトルを使うと、このような複数成分をもつ量を一つの対象として足したり、拡大したりできます。

高校数学では、ベクトルを大きさと向きをもつ矢印として学びます。この見方を幾何ベクトルと呼ぶことがあります。一方、座標を決めると矢印の横方向・縦方向の移動量を数の組で表せます。

実数を二つ並べたベクトル全体を

R2={(xy)|x,yR}\mathbb{R}^2=\left\{\begin{pmatrix}x\\y\end{pmatrix}\middle|x,y\in\mathbb{R}\right\}

と書きます。同様に、三つの実数を並べたベクトル全体が R3\mathbb{R}^3 です。

すべての成分が 00 のベクトルを零ベクトルといい、0\boldsymbol{0} と書きます。どのベクトル v\boldsymbol{v} に対しても v+0=v\boldsymbol{v}+\boldsymbol{0}=\boldsymbol{v} です。

ベクトルの引き算は

uv=u+(1)v\boldsymbol{u}-\boldsymbol{v}=\boldsymbol{u}+(-1)\boldsymbol{v}

と定めます。つまり、対応する成分どうしを引きます。

座標平面の点 P=(3,2)P=(3,2) は場所を表し、ベクトル (3,2)T(3,2)^{\mathsf T} は移動量を表します。本来の役割は異なります。ただし、原点 OO から点 PP へ向かう位置ベクトルを使うと、どちらも同じ数の組で表されます。

Qベクトルの基本計算★☆☆
a=(23),b=(14)\boldsymbol{a}=\begin{pmatrix}2\\-3\end{pmatrix},\qquad \boldsymbol{b}=\begin{pmatrix}-1\\4\end{pmatrix}

について、a+b\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}ab\boldsymbol{a}-\boldsymbol{b}2a-2\boldsymbol{a} を求めてください。

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対応する成分ごとに計算します。2a-2\boldsymbol{a} では二つの成分の両方に 2-2 を掛けます。

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a+b=(11),ab=(37),2a=(46).\boldsymbol{a}+\boldsymbol{b}=\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix},\qquad \boldsymbol{a}-\boldsymbol{b}=\begin{pmatrix}3\\-7\end{pmatrix},\qquad -2\boldsymbol{a}=\begin{pmatrix}-4\\6\end{pmatrix}.
Q二つのベクトルによる表示★★☆

a(1,1)+b(1,1)=(4,2)a(1,1)+b(1,-1)=(4,2) となる実数 a,ba,b を求めてください。

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各成分を比較して a+b=4a+b=4ab=2a-b=2 を解きます。
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二式を加えると 2a=62a=6 なので a=3a=3、差を取ると 2b=22b=2 なので b=1b=1 です。実際、3(1,1)+(1,1)=(4,2)3(1,1)+(1,-1)=(4,2) となります。

Qベクトル方程式を解く★★★

u=(1,2)u=(1,2)v=(2,1)v=(-2,1) に対し、3x+u=2v3x+u=2v を満たすベクトル xx を求めてください。

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3x=2vu3x=2v-u としてから、各成分を3で割ります。
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2vu=(4,2)(1,2)=(5,0)2v-u=(-4,2)-(1,2)=(-5,0) なので、x=(53,0)x=(-\frac{5}{3},0) です。代入すると 3x+u=(5,0)+(1,2)=(4,2)=2v3x+u=(-5,0)+(1,2)=(-4,2)=2v です。