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一階線形微分方程式と積分因子

両辺に関数 μ(x)\mu(x) を掛けると μy+μpy=μq.\mu y'+\mu p y=\mu q. 左辺を (μy)=μy+μy(\mu y)'=\mu y'+\mu' y にしたいので、μ=pμ\mu'=p\mu を要求します。したがって μ(x)=exp(p(x)dx)\mu(x)=\exp\left(\int p(x)\,dx\right) を選べばよく、

(μy)=μq,y=1μ(μqdx+C).(\mu y)'=\mu q,\qquad y=\frac1\mu\left(\int \mu q\,dx+C\right).

を得ます。積分因子を0でない定数倍しても、その定数は最後に消えるため本質的に同じです。

同次方程式では解の和・定数倍も解です。非同次方程式では2つの解の差が同次解になりますが、解の和が同じ非同次方程式の解になるとは限りません。

y+p(x)y=q(x)yny'+p(x)y=q(x)y^nn0,1n\ne0,1)はベルヌーイ方程式と呼ばれ、z=y1nz=y^{1-n} によって一階線形方程式へ変換できます。定数解を失わない確認が必要な発展的手法です。

Q基本:積分因子★☆☆
y+3y=0y'+3y=0 の積分因子と一般解を求めてください。
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p=3p=3 です。
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μ=e3x\mu=e^{3x}(e3xy)=0(e^{3x}y)'=0。したがって y=Ce3xy=Ce^{-3x}。代入すると y+3y=0y'+3y=0 です。
Q標準:初期値問題★★☆
y+y=2x,y(0)=1y'+y=2x, y(0)=1 を解いてください。
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μ=ex\mu=e^x2xexdx=2ex(x1)\int2xe^x dx=2e^x(x-1)
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exy=2ex(x1)+Ce^xy=2e^x(x-1)+C より y=2x2+Cexy=2x-2+Ce^{-x}y(0)=1y(0)=1 から C=3C=3。よって y=2x2+3exy=2x-2+3e^{-x}。代入すると y+y=(23ex)+(2x2+3ex)=2xy'+y=(2-3e^{-x})+(2x-2+3e^{-x})=2x。全実数上で有効です。
Q発展:区間に注意★★★
xy+2y=x3,y(1)=0xy'+2y=x^3, y(1)=0 を解き、初期点を含む有効区間を答えてください。
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x0x\ne0y+(2x)y=x2y'+(\frac{2}{x})y=x^2
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初期点を含む x>0x>0μ=x2\mu=x^2(x2y)=x4(x^2y)'=x^4 より y=x35+Cx2y=\frac{x^3}{5}+\frac{C}{x^2}y(1)=0y(1)=0 から C=15C=-\frac{1}{5}。解は y=x515x2y=\frac{x^5-1}{5x^2}、有効区間は (0,)(0,\infty)。元の式への代入でも右辺 x3x^3 になります。