微分方程式は各点で解曲線の傾きを指定します。方向場は、式を解く前に解の全体像を見せます。
代数方程式 x2=4 は未知の数を求めます。一方、y′=2y は独立変数 x に対する未知関数 y=y(x) を求めます。y は従属変数とも呼ばれます。
たとえば y′=ky は一階、y′′+y=0 は二階です。後者へ y=Acosx+Bsinx を代入すると y′′=−y なので確かに解です。
未知関数とその導関数が1次式として現れる
an(x)y(n)+⋯+a1(x)y′+a0(x)y=g(x)
を線形方程式といいます。yy′=1 や y′=y2 は非線形です。線形方程式で g(x)=0 なら同次、g(x)=0 なら非同次です。「非線形」と「非同次」は別の分類です。
通常の n 階方程式の一般解には n 個の独立な積分定数が現れますが、特異点や退化した方程式では単純に数えられません。
解は式だけでなく、方程式と初期条件を満たす区間も含めて考えます。たとえば y′=y2,y(0)=1 の解 y=1−x1 は x=1 で発散し、初期点を含む最大存在区間は (−∞,1) です。
y′=3∣y∣32,y(0)=0 には y=0 と y=x3(さらに途中まで0に留まる解)があり、一意ではありません。右辺の y 微分が0付近で連続でないため、上の定理は使えません。
方向場は各点 (x,y) に傾き f(x,y) の短い線分を描いたものです。解曲線を正確に求めなくても増減を読めます。人口の成長、放射性物質の減衰、ばねの運動などは、変化率の法則を微分方程式にした数理モデルです。
Q基本:分類★☆☆
y′′+xy=ex の階数、線形性、同次性を答えてください。
HINTヒントを見る
右辺と最高階導関数を見ます。
ANS解答を見る
二階線形・非同次です。
y,y′′ は1次で、右辺が0ではありません。
Q標準:初期条件★★☆
y′=2y の一般解を求め、
y(0)=5 を満たす解を検算してください。
HINTヒントを見る
y=Ce2x を微分します。
ANS解答を見る
一般解は
y=Ce2x。
y(0)=C=5 より
y=5e2x。微分すると
y′=10e2x=2y です。全実数上で定義されます。
Q発展:存在区間★★★
y′=y2,y(0)=−2 を解き、最大存在区間を求めてください。
HINTヒントを見る
−y1=x+C とします。
ANS解答を見る
y=C−x1。
y(0)=−2 より
C=−21、したがって
y=−1+2x2。特異点は
x=−21 なので、初期点0を含む最大存在区間は
(−21,∞) です。微分すると
(1+2x)24=y2 です。