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行列の階数とは

行列に多くの行や列があっても、その一部がほかの線形結合なら新しい情報を増やしません。階数は、重複を取り除いたときに残る方向の数です。

行列 AA が表す写像 T(x)=AxT(\boldsymbol{x})=A\boldsymbol{x} の像は列空間なので、rankA=dimImT\operatorname{rank}A=\dim\operatorname{Im}T です。

零行列にはピボットがないので階数は0です。一般に

0rankAmin(m,n).0\le\operatorname{rank}A\le\min(m,n).

n×nn\times n 正方行列では、次は同値です。

  • rankA=n\operatorname{rank}A=n
  • kerA={0}\ker A=\{\boldsymbol{0}\}
  • AA は逆行列をもつ

Ax=bA\boldsymbol{x}=\boldsymbol{b} が解をもつのは、b\boldsymbol{b}AA の列空間に入るときです。拡大係数行列を使えば

rankA=rank(Ab)\operatorname{rank}A=\operatorname{rank}(A\mid\boldsymbol{b})

が解の存在条件になります。右辺を加えたことで新しいピボットが生じれば矛盾です。

Q階数を求める★☆☆

A=(123011134)A=\begin{pmatrix}1&2&3\\0&1&1\\1&3&4\end{pmatrix} の階数を求めてください。

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R3R3R1R_3\leftarrow R_3-R_1 とすると第3行を第2行と比較できます。
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A(123011011)(123011000).A\sim\begin{pmatrix}1&2&3\\0&1&1\\0&1&1\end{pmatrix} \sim\begin{pmatrix}1&2&3\\0&1&1\\0&0&0\end{pmatrix}.

ピボットは2個なので rankA=2\operatorname{rank}A=2 です。

Q核と方程式を判定する★★☆

上の AA について nullity を求め、Ax=(1,0,0)TA\boldsymbol{x}=(1,0,0)^{\mathsf T} が解をもつか判定してください。

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nullityには次元定理を使います。拡大係数行列の第3行を確認します。
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定義域は R3\mathbb{R}^3 なので nullityは 32=13-2=1 です。拡大係数行列に同じ行基本変形をすると最後の行が

(0001)\begin{pmatrix}0&0&0\mid-1\end{pmatrix}

となり矛盾します。よって解はありません。これは右辺が列空間に入っていないことを意味します。

Q階数から解空間を読む★★★

AA3×43\times4 行列とし、rankA=2\operatorname{rank}A=2 とします。Ax=0A\boldsymbol{x}=0 の解空間の次元を求めてください。また Ax=bA\boldsymbol{x}=\boldsymbol{b} が任意の bR3\boldsymbol{b}\in\mathbb R^3 に対して解を持つか判定してください。

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定義域は R4\mathbb R^4、像は R3\mathbb R^3 の2次元部分空間です。
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階数・退化次数定理から核の次元は 42=24-2=2 です。また像の次元は2で、3次元の終域 R3\mathbb R^3 全体にはなりません。したがって像に入らない b\boldsymbol{b} があり、任意の右辺に対して解を持つわけではありません。